2011/09/27

新マイナス金利5 デノミネーション

ここでは世界金融危機を完璧に防ぎ、スタグフレーションに苦しむ国を成長させるための手法を記述致します。

マイナス金利では持続的なインフレを進めることが目的となっています。これは結果として通貨の劣化が継続して生じます。

そのため、究極的な状況においてはデノミネーションを考慮する必要が生じます。

自国通貨政府供給政策 貨幣供給を政府に行い、実質的にマイナス金利を自由に生み出す手法についてにて、新しい内容を記述しております。

通常言われるマイナス金利とは異なりますので、まず、新マイナス金利1 新しいマイナス金利について から読まないと意味がわからないかと思います。予めそちらから順番にご参照ください。

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新マイナス金利8 新しいスタグフレーションを想定する
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新マイナス金利10 従来のマイナス金利について
新マイナス金利11 浅はかとしか言い様のないベーシックインカムについて
新マイナス金利12 具体的なインフレターゲット
新マイナス金利13 アメリカへの適用例
新マイナス金利14 ユーロ圏への適用例


・デノミネーションを経済成長計画に織り込む

マイナス金利を実施する上で最も大きな懸念はハイパーインフレとデノミネーションにあります。

ハイパーインフレはインフレが唐突に制御不能になった結果生じる究極的な状況です。通常は貨幣供給量や政策金利の操作によってこれを制御します。

仮にハイパーインフレを抑えつつ経済成長を行ったとしても、マイナス金利によって貨幣の劣化が生じます。経済が成長しても、インフレによって金利が上昇し貨幣が劣化します。

つまり、常に貨幣が劣化する状況になります。(※筆者個人の狙いとしては常に貨幣を劣化させることが目標の一つです。裏付けは反独占理論3 精算なしで近い比率に戻すにはを参照してください。)

こうした状況においては、慎重な貨幣供給量と金利を維持することによって安定的なインフレを維持することに注力します。それによってハイパーインフレが生じることを防ぎます。

こうした状況が60年から120年続いた場合、貨幣は必ず劣化します。4パターン挙げてみましょう。

60年 120年
3% 572% 5,415.55%
7% 3,370% 313,812%

これではちょっとわかりにくいので、1年目に1円がどうなるかを表示してみます。

60年 120年
3% 5円72銭 54円15銭
7% 33円70銭 3,138円12銭

筆者個人としては100,000%のインフレ、1円が1000円になるまでにデノミネーションを行う必要があると考えています。

そのため、7%の金利を続けた場合、104年目(1,062円)までにデノミネーションを行う必要が生じます。

こうした60年から120年に一度のデノミネーションは、経済成長が安定していることを表します。

60年未満で生じるデノミネーションは、経済成長が不安定である可能性があります。

120年以上に1度生じるデノミネーションは、経済的に低成長が長期間続いており、国家がデフレに苦しんでいる可能性を表します。

結果として、安定的な経済成長を行いたいなら、100年に一度程度のデノミネーションは予め織り込んでいく必要があります。



・デノミネーションのリスク

旧通貨から新通貨への移行には通貨移行リスクが生じます。

このリスクがどの程度のものであるのか、具体的な例から見てみます。



トルコの例(参考:トルコの経済指標1 人口・GDP

2005年1月1日、トルコは新トルコリラを発行し、事実上の100万分の1のデノミを行った。2000万トルコリラ紙幣(当時は約1,500円に相当)は20新トルコ・リラになった。

2004年から2011年のトルコインフレーションレートです。

こちらは安定した2005年での推移も安定しています。

他の指標も同時期には安定しています。ただし、経常収支や貿易収支の赤字幅は近年大きく膨らむ傾向にあります。詳しくは(トルコの経済指標1 人口・GDP)を参照してください。

1970年代から2000年代前半にかけて、トルコは非常に高いインフレを経験しています。そのため、直近でのこうしたレートも歴史的に見ると安定した推移と言えます。

また、2005年のデノミネーションでは、大きなインフレを引き起こしていないことがわかります。



アルゼンチンの例(参考:アルゼンチンの経済指標1 人口・GDP

1992年1月1日  アルゼンチンは「アウストラル」→「ペソ($)」(10,000分の1 USDと等価)のデノミネーションを行った。

2002年2月11日 変動性相場へ移行

1989年から1992年1月のアルゼンチン・インフレーションレートです。

1989年には5000%を超えるインフレとなっています。

1992年1月に新通貨への移行、10,000分の1のデノミネーションを行なっています。


1992年から2011年のインフレーションレートです。

2001年12月 アルゼンチン国債デフォルト

2002年2月11日 変動性相場へ移行

2002年前後にはインフレが上昇しているスパイクが形成されています。しかし、これは1990年代のレベルではありません。

1992年から2011年のアルゼンチン・ペソ/USDレートです。

2002年2月11日には変動性相場へ移行しました。

2002年のインフレレートにおけるスパイク形成は急激な為替変動によるもので可能性があります。

ちなみにアルゼンチン経済は近年、比較的安定しています。

この例では、デノミネーション自体がインフレを引き起こす原因とはなっていないことがわかります。



本来ならジンバブエの例も出したかったのですが、データが入手できていません。

2008年8月1日、ジンバブエは100億分の1のデノミを行った。100億ジンバブエ・ドル(当時は約2円に相当)は1新ジンバブエ・ドルになった。戦争状態にない国家でこれほどのデノミが行われるのは世界でも類をみない。2009年2月2日、ジンバブエは1兆分の1のデノミを行った。ほぼ半年で再度実施するのは他の国ではみられない。

筆者の推測を述べると…

恐らく、これはハイパーインフレを収束させていない状態で新通貨への移行を行った可能性があります。

ハイパーインフレを収束させるには政策金利をハイパーインフレに連動させる形で上昇させ、同時に貨幣供給量をハイパーインフレの伸びに反比例する形で減らすことが重要でしょう。

つまり、ハイパーインフレが生じたら、政策金利を上昇させ、貨幣供給量を少なくする必要があります。

そして、インフレが収束した後、新通貨への移行を行うべきです。



EU圏で見られたユーロへの移行なども挙げてみようかと思いましたが、若干背景が異なるのでここでは扱いません。

具体的な例を見ていただければわかるように、デノミネーション自体には危険性はありません。

ただし、ハイパーインフレが生じている場合は収束後にデノミネーションを行う必要があることがわかっていただけるかと思います。

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