ただ、知識がないと勘違いしやすいので補足してみます。
こちらがそのグラフ。
債務をGDPレシオと債務額で表しています。
このように見ると日本が破綻寸前の危険な国に見えがちです。
また、実際にこのような状態なら円高にはならないでしょう。
ポイントは国家の債務であると言う点です。これには地方債などは含まれていません。
アメリカは地方債が異常なレベルに達しており、これを加算することで日本とアメリカの債務は見え方が根本的に変わります。
別のデータからアメリカと日本の総債務をグラフにしてみます。
参考本データ
http://www.usdebtclock.org/
http://www.kh-web.org/fin/
アメリカ総債務:$54,912,000,000,000
日本総債務 :$14,631,473,076,923 (\1,141,254,900,000,000 1$=\78換算)
他にもアメリカには多くの債務が存在する…との話も一部にはありますが、ここでは取り上げません。
アメリカの債務の特徴は連邦政府の債務は問題ではなく、州政府の債務が既に限界を超えていることが問題と言えます。
アメリカ2011年実質GDP予測が$13,610,940,000,000,000であるため、州債務を含めたアメリカの総債務GDPレシオは約403%となります。
一方の日本は、2011年実質GDPが\547,286,290,000,000,000であるため、総債務GDPレシオは約208%となります。
こうしてみると、既にどちらも借金大国であることがわかります。
また、アメリカの債務が決して日本より少ないわけではありません。上述のグラフでは誤解する可能性が高いと言えます。
アメリカは地方債が莫大です。そのため、連邦政府の債務だけでは数字が小さく見えがちです。
日本は地方債などが少ない傾向にあります。しかし、国債の発行残高は既にGDPを超えています。
他の基準から債務を見てみます。
どうでしょうか?
ちょっとデータが古いものですが、基準によっては日本の債務があまり問題視されていない背景が伺えるかと思います。
一つの視点から見ると観点が偏りがちです。本格的に資料の検証を行う際は、様々な数値を用意する必要があると言えるでしょう。
ちなみに筆者の考える健全な債務比率は…
GDP+総資産/総債務
…が100%から400%であると考えています。より健全な状態は400%です。
この筆者の基準では、アメリカも日本も結局は債務を減らさなければなりません。
冒頭のニューヨーク・タイムズは日本をデフォルト候補の槍玉に挙げているのかもしれませんが、それだけでアメリカの債務をどうにかすることはできないでしょう。
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