まずは1951年から2011年の貿易収支から…
上の貿易収支では直近の3つの大きなピークが2008年から2011年に当たります。
こうしてみると、季節変動が非常に激しいことに気づきます。
また、どうも2008年以前は非常に厳しい時期が続いていたようです。
これは為替レートを見ると分かりやすいです。
こちらは2003年から2011年のNZD_USDレートになります。
円レートを見てもNZDは非常に強い状態になっています。
ニュージーランドは1次産業が強いですが、特に天然資源などには恵まれていません。そのため、通貨レートが上昇すると貿易収支が圧迫されます。特に2000年から2008年の円キャリートレードが活況となった時期に、こうした傾向は顕著でした。
では、直近の貿易収支を見てみます。
ご覧のとおり、月毎の変動が激しいようです。特に7月から1月にかけて急落しています。
これは上述したように季節変動によるものです。
ニュージーランドの季節は以下のようになります。
春:9月から11月
夏:12月から2月
秋:3月から5月
冬:6月から8月
つまり、7月から1月に見られる赤字は冬、春、夏にかけて畜産、農業などが収穫期ではないためです。…なんか大雑把すぎますが、主要輸出入品は以下のようになります。
輸出品目 - 乳製品、肉、木材・木製品、魚、機械類
輸出国 - オーストラリア 19.5%、アメリカ合衆国 13.5%、日本 10.8%、中華人民共和国5.7%、イギリス 4.5%、大韓民国 4.0%(2006年12月末)
輸入品目 - 機械設備、自動車、航空機、石油、エレクトロニクス、織物、プラスチック
輸入国 - オーストラリア 20.1%、中華人民共和国 12.2%、アメリカ合衆国 12.1%、日本 9.1%、ドイツ 4.4%、シンガポール 4.6%(2006年12月末)
ちょっとデータが古いですが、輸出品は食品が多い傾向にあります。
では、成長余地がないか? というと、そうでもありません。
現在中国では深刻なほど食品が足りなくなりつつあるため、今後は中国などのアジアへの食品輸出が増えるかもしれません。
そんなわけで乳製品のチャートを埋め込んでみましたが…
あまり価格の上昇は見られません。やはり需給関係が落ち着いているようです。
ニュージーランド製品の価格を押し上げるほどの需要はまだ存在していないと言うことでしょう。
さて、そんなわけで、キーとなるのは7月です。7月からは再びニュージーランドドルは弱くなるかもしれません。ご注意ください。
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