しかし、独占状態を効果的に崩さなければ破産したプレーヤーは復活してもすぐに破産を繰り返すようになります。そんなわけで第三の手法を記述してみます。
次の方法は勝者資産の分割によって行います。
現金 | 土地 | ホテル・家 | プレイヤー | リスク | 土地上限 | 物件上限 | コマ数 | |
開始時(基点) | 6000 | 0/22 | 0/44 | 4/4 | 3/40 | 22 | 44 | 40 |
終了時 | 6500 | 9/22 | 20/44 | 1/4 | 12/40 | 22 | 44 | 40 |
分割後 | 6500 | 9/22 | 20/44 | 4/4 | 12/40 | 22 | 44 | 40 |
土地の分割が綺麗にいきませんが、もともと全ての価格には落差があります。ここでは各プレーヤーが交渉によって土地の地価に基づき均等分配を行った上で足りない分を現金で補ったと仮定します。
上述の表を増減率に記述しなおすと…
現金 | 土地 | ホテル・家 | プレイヤー | リスク | 土地上限 | 物件上限 | コマ数 | |
開始時(基点) | 100% | 0% | 0% | 100% | 7.5% | 100% | 100% | 100% |
終了時 | 108.33% | 40.91% | 45.45% | 25% | 30% | 100% | 100% | 100% |
分割後 | 108.33% | 40.91% | 45.45% | 100% | 30% | 100% | 100% | 100% |
かなり綺麗に分割できているように見えます。
チャートで見ると全体が膨らんでいるのがわかります。これは破産者の復活によってもたらされた上昇です。つまりプレーヤーを換算に入れない場合、終了時と分割時に変化は乏しくなっています。
但し、これにも問題があります。分割時の交渉が全てを左右しがちで、ゲームとは言えません。談合しているだけと言えるかもしれません。つまり、競争の原理が崩壊している可能性があります。ある意味で共産主義に似ていると言えなくもない手法と言えます。
一方で、精算とハイパーインフレに比べると経済に与える衝撃は穏やかと言えます。もっとも破産を繰り返すプレーヤーの為に努力しているプレーヤーが痛手を負い続けるのは、それはそれで競争の原理に反します。
そのため独占禁止法にも見られる「分割」は慎重な判断に基づいて行うべきと言えるでしょう。
さて、現実には分割、合併、デフォルト、ハイパーインフレなどを経て、市場は存続していくことになります。
ただ、それでは現状をより良い形に解決することはできません。
モノポリー2の目的に戻ると…
「あらゆる要素数が変化しつつも永遠にゲームを続けることを可能にする」
…と言った目的がありました。
つまり、経済的な問題を解決することが目的です。上述の手法は既に知られたもので新しい代替案とは言えません。
そんなわけで次は比率ではなく衰退のプロセスを創り上げてみようかと思います。
次の記事
反独占理論5 衰退のプロセスについて
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反独占理論1モノポリーと現在の経済の問題について
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