米国債残高の歴史的な推移を分析します。本記事では1900年から1949年の残高推移を扱います。時代は第一次世界大戦、世界恐慌、第二次世界大戦を迎えます。まさに激動の時代です。
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米国債残高の歴史的な推移を分析 1791年~1849年
ポイントは二箇所。
第一次世界大戦と第二次世界大戦になります。
アメリカは1917年から1918年までをWW1、1941年から1945年までをWW2に参戦しています。
この期間、目に見えてアメリカは国債を増発し借金を急激に増やしています。
正直なところ、この期間の米国債は戦争によって膨れ上がっている側面が強いため、特に語れる側面がありません。
但し一つ興味深い箇所が存在します。
世界恐慌にあって、アメリカ政府は国債を増発していますが、戦争に比べると緩やかです。正直なところ、これまでのグラフと比較しても対応しているようには見えません。
ちなみに、□で囲った箇所は世界恐慌の大まかな時期です。実際には戦争後になってようやく経済は立ち直りを見せていたようです。
つまり、世界恐慌時に取られたニューディール政策は、効果が限定的であった可能性があります。このあたりは経済学者が酷評していることもあって、効果が疑問視されていることもわからなくありません。
今回の内容は前回までの流れと比較するとざっくりとしていますが、それも裏付けがあまりにも明確であるためです。この時期の米国債残高推移は戦争によるものです。激動の時代であることを考慮すると無理のないことだと言えます。
ここで、1791年から1949年までのチャートを作成してみます。
1917年までが完全にフラットに見えるほどWW1、WW2における残高の上昇は膨大なものとなっています。
注釈を入れたものを作成します。
フラットに潰れている中でも、南北戦争だけは若干認識できます。
共通して言えるのは戦争です。戦争によって米国債の残高は急激に増加していることがわかります。それ以外では若干の上下が見られるだけです。また、金ぴか時代以外では米国債の残高が下がると不況になりやすい傾向にあります。
第二合衆国銀行を除いて、米国債を完済したことが無い点も興味深い点と言えるでしょう。経済に借金はつきものであることがよくわかります。現在の日本国債は確かに膨大な発行高ではありますが、一方で、国債を減らすことは却って危険な可能性があると言えるでしょう。
以上、米国債残高の歴史的な推移を分析 1900年~1949年に関して記述致しました。
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