日本、世界、アメリカの映画興行収入ランキング2010年のものをグラフ化してみます。
単位は億円。
全国規模で興行されている作品は安定したヒットを維持しているようです。
気になったのはインセプション。ちょっとストーリーが複雑だったかもしれません。せっかく渡辺謙も出ていたのですが、Top5に喰い込むことが出来ませんでした。
ナイト&デイもあまり人気を稼げていないようです。やはり俳優が良いだけではだめなのが分かりやすく収入に現れています。トム・クルーズは25M$クラスの俳優だったと思います。日本の興行収入だけではトム・クルーズのような人間が現れにくいことがよくわかります。
一方の邦画ではスタジオジプリ、海猿、踊る大捜査線、ポケモン、ドラえもんの強さを再確認させられる内容となっています。どちらの作品も配給は東宝系のようです。松竹や東映なども健闘していただきたいところです。
それにしても、シャッターアイランド、トロンレガシーは人気があまり無かったのかな? こうしてみると低空飛行しているように見えます。
こちらは世界市場のランキング。34位以下は日本ではマイナーなタイトルが多いため割愛しました。単位は100万ドル、1M$となります。
日本ではアリス・イン・ワンダーランドがトップでしたが、世界市場ではトイ・ストーリー3がトップとなりました。また、世界市場ではインセプションの人気も高かったようです。
世界市場でもナイト&デイはちょっと不調だったのかもしれません。トムの給料で10分の1飛びそうな成績。それでも年間で21位になったのもトムとキャメロン・ディアスのおかげでしょうか?
こうしてみると、あまり立体である必要はないのかもしれません。これからメジャーになるかどうかわかりませんが、少なくとも今の時点で立体映像はマイナーに過ぎないようです。そういえば、ニンテンドー3DSでは立体映像のタイトルが配信されるのか気になるところです。
こちらはアメリカ市場のランキング。単位は100万ドル、1M$となります。
やはり、トップタイトルはトイ・ストーリー3、アリス・イン・ワンダーランドとなっており、二作品の人気の高さが伺えます。
しかし、アメリカだけで見ると、トイ・ストーリー3が一つ抜きん出ているような印象もあります。
いまいち目立っていなかったような気もするアイアンマン2はトップ3にランクインしており、アメリカではアメコミが強いのがわかります。また、アメリカでもインセプションは強かったようです。
一方で、SatCはあまり強くない模様。流石にもう飽きられたのでしょうか?
3つの市場を通してわかるのは、とにかくピクサーがすごいと言う事に尽きるでしょう。筆者もピクサー作品は大好きですね。トイ・ストーリーも良いですが、ウォーリーなんかも非常に良い作品でした。
どうもピクサーは配給元となっているディズニーとの関係があまり強くないようなので、経営上のリスクを若干抱えているようですが、世界興行収入トップに輝いている点を見ると、杞憂とも言えるかもしれません。
さて、一方の日本からは世界市場で強い作品はアニメ以外で見られないようです。アニメもトップに食い込む作品が無いことを考えると、日本のアニメが強いとも言えないかもしれません。
かつては黒澤監督のように世界市場で活躍した監督もいたのですが、最近では完全に蚊帳の外と言えるかもしれません。もしくは映画市場でもガラパゴス化が進んでいるのでしょうか? いずれにしても良い状況とは言い難いかもしれません。
ちなみにピクサーでは日本人スタッフも活躍しているようです。要するに日本人にも一定の資本力さえあればトップレベルの作品が作れるかもしれませんが、今の国内市場ではそういった作品を産めるほど母体が大きいわけではない点が、最終的な作品に大きく響いているのかもしれません。
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