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恐らく現在、EUが最も模索している選択肢がこちらになります。
EUではドイツなどの優秀な財政を構築している国から「どうして彼らのバカンス代を私たちの財布から出さなければならないんだ?」と文句を付けられています。
これは非常に困った問題です。
回り回って超間接的にドイツ経済などが潤うかもしれませんが、そもそも支払った分、戻ってくるかはわかりません。
そして何より彼らのツケを代わりに支払うのが癪なのです。
こうして考えると、かなり感情論になっていますが、それも当然気持ちの良いものではないからでしょう。遊び人のキリギリスを、働き者のアリが救う必要はない…と考えるのが自然です。
しかし、EUは連合体制である以上、ギリシャの問題はEUの問題となります。EUの一員なら解決に協力しなければなりません。
突き詰めると財政不安に陥った国を救済しないと言うことですから、そもそも連合体制である必要もありません。
そして、仮にギリシャが欧州連合を離脱することになれば、事態は時代を逆行することになるわけです。
これではせっかくまとまりかけた欧州は再び分裂してしまいます。
そんなわけで事態を収拾するため、欧州金融安定ファシリティを立ち上げ、EFSF債を各国に販売しています。
しかし、このEFSF債も中身が次第に劣化するだろうとも言われており、先行きは一概に良いわけではないようです。
さて、ギリシャ国債は利回りが非常に上昇しているため、ギリシャの再建を妨げています。
そこで、2.89%ほどと利回りの良いEFSF債を担保として利回りの改善を行う可能性があります。
これは15%ものギリシャ国債の担保として2.89%ほどのEFSF債を用いるといった手法です。
つまり、ギリシャ国債が仮に不渡りとなってもEFSF債を受け取ることができると言うわけです。これは非常に大きな信用をギリシャ国債の裏付けとして用いることに繋がりますから、自然とギリシャ国債の信用も改善することが可能です。
そして、この方法では、EFSF債で得た資金でギリシャ国債を直接買いあげるわけではないため、EFSF債で得た資金の消耗を防ぐことが可能となります。
…ちなみに、この一連の手続きは過去に米国債を担保とした例を元にしています。本当にこうなるかはわかりません。
以上より、やり方次第ではギリシャ国債の利回りを改善させることが可能かもしれません。
ただ、そうは言ってもギリシャの財政は非常に悪いです。これは早急に見直す必要があるでしょう。過剰な公共サービスなど、支出の整理を進める必要があることに変わりはありません。
整理すると…
・EFSF債を利回りの上昇した国債の担保とする
・公共サービスを始めとする財政支出を見直す
…以上の手続きが必要となります。
デフォルトを宣言する場合と比較すると、やり方次第では経済の衰退が穏やかである可能性があります。
やはり、こうして考えると現在のEUはもめてはいますが、食い下がって頑張るのは懸命と言えます。諦めてデフォルトするのは自殺行為と言えるでしょう。
こうした事例は日本にとっても無視できない重要なものですから、今後の進展も注意深く観察する必要がありそうです。
筆者なりに世界金融危機の解決策を作成してみました。よろしければ、是非御覧ください。
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