2012/10/11

量的金融緩和(2001年~2006年)によるGDP CPI M3+CDについて

では、量的金融緩和によるGDP、CPI、M3+CDの変化を記述してみます。

最初の記事はこちらです。


M3+CDの推移です。

2001年3月から2006年3月まで量的金融緩和政策は行われていました。

特徴的な傾向は2001年から2006年では、特にM3+CDは増加しなかったことが挙げられます。

つまり、量的金融緩和は、マネーサプライを増加させる目的であるにも関わらず、むしろマネーサプライは抑制された可能性があります。

これは量的金融緩和によって超低金利が引き起こされた上に、公共投資や民間投資が増加しなかったため、リスクがあってもリターンの多い海外へ資金を流出させた可能性を示唆しています。

これにより、所得収支がこの時期に増加しています。

しかし、相対的に貿易収支が悪化し始めました。

所得収支が経常収支を支える構造は現在ではより顕著となっています。

外需で豊かになる構造から、海外金融資産で豊かになろうとする構造へ変化させようとしたことがわかります。

こうした海外金融資産を購入する際に…

・外貨購入 → 預金が減少

・外債や外国資産などを購入

・外貨を稼ぐ

外貨売却 → 所得収支の黒字額が増加し預金が増加

…と、言ったプロセスを生み出した可能性があります。

しかし、外国資産の購入はリスクが高い上、先進国では金利差がほとんど無い現在においては、この手法はすでに有効でなくなりつつあります。

この手法の重要なポイントは金利差が大きくなければならないことにあるでしょう。

新興国の金利も抑制気味になりつつある現在では、リスクのみが際立つ可能性が高いでしょう。




GDPについては、長期的に米ドルで見るとわかりやすくなります。

このように別の角度から見ると成長しているようには見えなくなります。

少なくとも、高度経済成長期のような成長性はありません。

量的金融緩和では、中身のある成長を取ることができないことが明確にわかります。




こちらは日本消費者物価指数の推移です。

2001年から2006年だけでなく、全くインフレが生じていないことがわかります。

インフレを生じさせることが目的の一つであるなら、量的金融緩和は効果がないことがわかります。



量的金融緩和は、一見すると以下の効果をもたらすように見えます。

・GDPが増加
・インフレは生じない
・マネーサプライが増加
・失業率が減少

しかし、実際には以下のようになります。

・GDPの増加は非常に弱い。もしくは横ばいとなる。
・インフレは生じない。
・マネーサプライは抑制される。
・失業率は減少するが、雇用の質が低下する。

つまり、量的金融緩和政策は、現実的に経済を成長させることができません。



ここで、外債の話に戻ります。

仮に、中央銀行が積極的に外債を購入するようになった場合…

・利回りが高い外債の場合、デフォルトリスクが高まる
・先進国は量的金融緩和を行なっているため、儲からない上、リスクが大きい
・短期的に為替介入となり、各国に経済的な負担を生じさせる
・長期的に所得収支が上昇し、通貨高が促進される

…以上のような可能性が高まります。

また、極論アレルギーの方には申し上げにくいですが、世界中がゼロ金利になった場合、外債購入は意味がありません。

一部の民主党議員は、外債購入プランを推しているようです。

しかし、少なくとも私個人は、以上の手法では現在見られる債務危機を解決することができないと結論づけています。

ちなみに、筆者は債務危機を救う政府資本注入型マイナス金利政策を推しています。

よろしければそちらもご参考いただければ幸いです。

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